
[参議院] 近年の急激な円高の進行等により我が国外航海連の国際競争力が低下した結果、日本船舶及び日本人船員の数は急激に減少し、深刻な事態に立ち至っている。我が国にとって安定的な国際海上輸送力を確保することは、海洋国家として不可欠な重要課題であり、政府は早急に次の事項について万全の措置を講ずべきである。 (1)我が国外航海運の全体的な基盤強化を図るため、政府は関係者に一層の努力を求めるとともに、日本船舶と日本人船員の減少を防止するための国際船舶に係る措置の拡充等有効な施策を講ずること。 (2)我が国の国民生活・経済活動の安定、海上輸送における安全性と技術の確保、海洋環境の保全等の観点から、我が国船員の優秀な技術を今後とも維持していくことが必要であり、そのための有効な施策を講ずること。 国際船舶の具体的範囲については、海上運送法施行規則により、次のすべてを満たすものとされている。 (1)2,000総トン以上の船舶であること。 (2)遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶であること。 (3)専ら国際航海に使用されている船舶であること。 (4)近代化船、マルシップ(船舶職員法第20条の許可を受けた混乗船)、LNG船、RO−RO船のいずれかに該当する船舶であること。 さらに、平成8年度税制改正においては、日本籍船のうち我が国の国際海上輸送の確保上重要な船舶(国際船舶)に関する登録免許税及び固定資産税の特例措置が設けられることとなったほか、船員教育訓練施設の特別償却制度が認められた。また、平成8年度予算においては、国際船舶制度の実施及び拡充に向けての調査検討を行う経費として、2,000万円が計上された。 その他、国際船舶について海外譲渡等をする際には事前届け出を必要とすることとし、安定的な国際海上輸送の確保を図る上で著しい支障が生じる恐れがある場合は、その譲渡等の中止等を勧告することができることとした。 なお、税制改正に関する自治省との調整により、固定資産税軽減措置の対象船は、次のとおりとなった。 (1)近代化船についてはすべての船舶 (2)マルシップ、LNG船、RO−R0船については、近代化設備を有する船舶または?@衛星自動船位情報表示装置?A自動衝突予防装置?Bドップラー・ソナーまたはバウ・スラスターの三つすべてを備えた船舶
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